さざなみのよる   木皿泉

  • 2019.11.14 Thursday
  • 07:41

JUGEMテーマ:読書

 

 

一人の女性が亡くなった。

小国ナスミ、享年43。

この世の存在ではなくなった彼女。

だがその瞬間から彼女の言葉が彼女と触れ合った人たちの心をさざなみのように揺さぶり広がっていく。


人が生きた証とはどういうことか。
死んでからなおその人の存在がより際立つとても胸を打つ物語。
そういうふうに人から想われる存在って羨ましい。
 

凛の弦音   我孫子武丸

  • 2019.11.13 Wednesday
  • 07:26

JUGEMテーマ:読書

 

中学から弓道を始め、弐段の腕前を持ち、ひたすら弓道にまっすく打ち込む少女・凛。
引退した師匠・棚橋先生の家で時折弓を引かせてもらっていたのだが、ある日その師匠の家で殺人事件が起こってしまう。
弓を使った殺人だったため、凛は弓道の知識を使って事件を解決。
校内では『弓道名人は名探偵』などともてはやされ、『弓道美少女』が勝手にライバル視。
周囲が騒がしくなり、凛自身も弓道や新任の教師の教え方に対する不安が表面化し、不安定な状態になってしまう。
そんな時、先輩や師匠からのアドバイスが彼女に弓道という道を指し示してくれ・・・・。


人殺しの道具であるにもかかわらず、礼儀や作法を重んじる道としての側面も持つ。
そんな弓道の奥深さと難しさ、すがすがしさが感じられる作品でした。
事件解決をしながら弓のことが学べたし、弓道に興味のある初心者にはとっつきやすい話だったように思います。

猫町くんと猫と黒猫   樒屋 京介

  • 2019.11.08 Friday
  • 17:01

JUGEMテーマ:読書

 

 

捨て猫だった猫町くんは、幼い頃ある夫婦に保護された。
人間に化けられるという特殊能力にも柔軟に対応してくれた里親によって高校に通えることになった猫町くん。
そこである少女に恋をした。
人間よりも早いスピードで年をとっていくのが猫の宿命。
どうにかして気持ちを伝えたいと思っていたところに、新たな猫の転校生がやってきて、しつこく猫町くんに絡む。
とある事件がきっかけで白猫になってしまった先輩もいて、猫町くんのまわりはとても賑やか。
広島県尾道市を舞台に、猫への愛と青春にみちた、第17回小学館文庫小説賞優秀賞の受賞作品。


尾道がいくら猫の多い町だからって、変化猫に対する受け入れが半端なく緩いところが笑えます。
いやそこ普通に驚くとこッ。って思っちゃいます。
でもとても心温まるファンタジー。
成長の早い猫と人間の恋。そして人ならざるものたちの世界。
とても素敵なストーリーでした。
 

花とアリス 殺人事件   乙一

  • 2019.11.07 Thursday
  • 07:36

JUGEMテーマ:読書

JUGEMテーマ:映画の感想

 

 

両親の離婚により、苗字を変えて石ノ森学園中学校へ転校してきた中学3年生の有栖川徹子。
初日からどうもクラスメイトの様子がおかしい。避けられてると思っていたら、一年前に起こった殺人事件が関係していることを聞かされる。
それも、『ユダが四人の妻に殺された』というウワサだ。
さらに、隣家に住むハナという引きこもりの少女が同じクラスで、その殺人事件について知っているはずだという情報を得る。
果たしてユダは本当に殺されたのか。
ハナの引きこもりとユダとの間にどんな関係があるのか。
徹子は真相を明かすべく謎の解明に乗り出した。


アリスの性格がなんか淡々としてて中学生らしからぬ言動があるなぁと思ってたら、母親の職業にその疑問を解くカギがありました。
土台があればこその謎解きだったんですね。
中学生らしい好奇心とお節介がこの探偵ごっこをぐいぐい引っ張ります。
殺人事件とあるけれど、ドロドロしたとこがなく子供らしい青さがあるところが私には読みやすくて救われました。
 

素敵な日本人   東野圭吾

  • 2019.11.05 Tuesday
  • 07:37

JUGEMテーマ:読書

 

 

日常に潜むちょっとしたミステリー九編の短編集。


どの作品もからくりが理解できた瞬間に快感を覚えます。
流石は東野さん!と膝を叩きたくなる小さなミステリー。

そこに人間関係が絡み合って物語が出来上がっていて、つい一気に読んでしまいました。
 

あの家に暮らす四人の女   三浦しをん

  • 2019.11.04 Monday
  • 07:34

JUGEMテーマ:読書

 

 

杉並に建てられた古い洋館。
そこには三〇代独身の刺繍作家・佐知と気まぐれな母親・鶴代。佐知の友人でどこにでもある顔を持つ、印象は薄いけどしっかりものの雪乃と、ストーカー男から逃げてきた二十代の多恵美が暮らしている。
そして庭に建てられた離れには関係性を説明できない謎の老人・山田。
単身女性と独身の老人が暮らす牧田家でゆるく流れる日々を紡ぐ同居物語。


織田作之助賞受賞作。
物語の途中で説明的な記述があり、それがとても違和感でした。
ただ、それぞれの距離を大事にしながら上手く暮らしている同居とはいえ、寂しさを抱えていたり事情があったりする背景はなかなか共感できる部分も。。。
 

青空に飛ぶ   鴻上尚史

  • 2019.11.02 Saturday
  • 07:53

JUGEMテーマ:読書

 

 

中学2年生の萩原友人は短い休みを利用して、病院に勤務している伯母の住む札幌を訪れた。
忙しい伯母とはあまりゆっくり話す機会はなかったが、いじめを受けていた彼にとって、そこは唯一の逃避できる場所だった。
つかの間の自由を味わいながらも、いじめから逃れるために自殺を考えていた友人。
だが神風特攻隊の有名人・佐々木という人物を知り、自殺をいったん思いとどまった。
佐々木は9回特攻に出撃し、9回とも生還したのだという。
佐々木の人生に興味を持った友人は、彼について調べるために、古本屋で『陸軍特別攻撃隊』を手に入れた。
佐々木は何を想い、何のために9回もの出撃をしたのか。そこに書かれていたのは・・・・・


神風特攻隊が軍の言うような志願兵ではなかったことがよく分かります。
人の生死に関わることなのに、上官の心象や好き嫌いで左右されてしまう世の中・・・・とても恐ろしいことです。
佐々木さんはよく生き延びてくださいました。
当時、彼のような決断をする人は少なかったと思います。そうしたくても出来ない世論があったのでしょう。
勇気のある行動と決断。
そういう人がもっと声を上げていける世の中だったら良かったのに・・・。
 

エリザベスの友達  村田喜代子

  • 2019.11.01 Friday
  • 07:20

JUGEMテーマ:読書

 

施設で暮らす認知症の母・初音の記憶は、かつて満州国建国の後、煌びやかだった天津租界で結婚生活を送っていた頃に戻っていた。
イングリッシュネームを持ち、清朝最後の皇帝・溥儀と妻・婉容の話を身近に聞き、そして引き上げ船で命からがら日本へ戻ってきた過去。
初音にとってその出来事はまさに今、目の前で繰り広げられているかのように鮮明だ。
彼女が暮らす介護センターでは、初音と同じように戦中の記憶の中に生きる人々がたくさんいる。
兄弟のように育った馬たちと再会した土倉。郵便配達婦をしながら8人の子供を育てた宇美。
戦中戦後の日本を生きてきた高齢者たちの想いが今あふれ出す。。。。


残念ながらちょっと入りにくい作品でした。
認知症の人の想いや記憶は曖昧さがあったり、霧がかかったようではっきりとした感情ではないからです。
でもそれがかえってリアリティなのかな? という気はしました。
戦争の悲惨な場面の描写はありません。
けれど、見送った馬の名前を叫んだり、歌で記憶が呼び起こされた男性が許してくれと謝罪するシーンなどは、想像するしかないだけに余計に胸が痛くなります。
日本中でもっとたくさんの人が痛い思い苦しい思い辛い思いをしたんだろうなということを想像すると、認知症になって忘れられるものならば忘れて幸せな気持ちだけをもっていってくれたらいいなと思いました。
 

百貨の魔法   村山早紀

  • 2019.10.27 Sunday
  • 07:22

JUGEMテーマ:読書

 

 

長い間地域の人たちに慕われていた百貨店は、今や「閉店が近い」と噂されるほど時代の波に押し流されようとしていた。
だがそこに勤めるエレベーターガールや新人コンシェルジュ、フロアマネージャーやテナントスタッフらは店を愛し、お客様に格別の親しみをもって接していた。
館内に住み、その姿を見たものは一つの願い事を叶えてもらえるという魔法の白い猫を語り継ぎながら、彼らが目指す百貨店の姿とは・・・・。


老舗と呼ばれる店が軒並み閉店の憂き目を見た時代。
新しければいいのか。古ければいいのか。
価値観を問われる時代にあって、中で働く人たちは何を目指し何を求めていたのか。
もしこの百貨店が実在するのなら、ぜひとも訪れてみたい。そんな気持ちにさせる素敵なストーリーでした。
 

おまじない   西加奈子

  • 2019.10.25 Friday
  • 07:39

JUGEMテーマ:読書

 

 

大人になって、大丈夫なふりをしていても、ちゃんと自分の人生のページをめくったら、傷ついてきたことはたくさんある――。
それでも、誰かの何気ないひとことで、世界は救われる。
悩んだり傷ついたり、生きづらさを抱えながらも生きていくすべての人の背中をそっと押す、キラメキの8編。
 「あなたを救ってくれる言葉が、この世界にありますように」――西加奈子(アマゾンより抜粋)
 【収録作品】
1 燃やす
2 いちご
3 孫係
4 あねご
5 オーロラ
6 マタニティ
7 ドブロブニク
8 ドラゴン・スープレックス

 


傷ついたことを隠して、なかったことにして日々を過ごしてても、忘れられない出来事がある。
心にしまった言葉。閉じた扉の奥にしまい込んだ感情。
それらをほんの少しの隙間から覗き見る、そういう気持ちになるストーリーでした。
 

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