黄色い目の魚    佐藤 多佳子

  • 2020.03.25 Wednesday
  • 07:24

JUGEMテーマ:読書

 

 

木島悟は一度だけ父親に会った。
母親に言わせれば、のんだくれでロクでもない、稼ぎも責任もない父親。
絵に執着し、けれど売れるほどの才能もないテッセイ。

テッセイにだけは似ない様に。
それが母親と悟の目標。


なのに、テッセイのデッサンを見た悟は、それに対抗心やら嫉妬心やらを燃やし、いつの間にかテッセイのようにデッサンばかりするようになる。
学校の授業で前の座った生徒の似顔絵を書くことになり、それがキッカケで知り合った村田みのり。

周囲と溶け合わず、いつも何かにいら立っている彼女もまた、絵にとりつかれた少女だった。


悪口というのも、強烈な印象として残ってしまうものなんですよね。
忘れたいと思ってる相手のことも、憎んでいたらいつまでも忘れられない。

そんな母親の呪縛から、悟は解放されたかったんじゃないかな。
だから、絵に執着し、それも落書きのような似顔絵のデッサンばかり書いてしまう。

 

彼にとって父親とは、憎むべき相手で、社会に適応できないロクデナシで、関わってはいけない人だと思ってる。
でも根底には、理解したい、愛されたい、認めてもらいたいっていうのがある。

どんな親でも親は親だから。

 

イラストレーターを叔父にもつ『みのり』との出会いは、悟にとってそんな絵に対するこだわりを客観的に見る機会になったと思うんです。

絵の奥深さ。
それを仕事にする大変さ。
そして、書くという行為に対する気持ちの持ち方。

 

胸の奥にあるトゲのようなこだわり。
それをちゃんと見据えるところから、成長ってあるんだなと思える作品です。

マジになるのって、こわくない?
自分の限界とか見えちゃいそうで。

踏み出したくて、踏み出せない。そんな悟の心の声に、共感。

 

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