たとえ、世界に背いても

  • 2018.03.13 Tuesday
  • 07:36

JUGEMテーマ:読書

 

紫斑性筋硬化症候群という奇病を研究し、その治療法を確立した浅井由希子博士は、ノーベル賞受賞の場でこの病に冒された息子について語り始めた。

初めは息子のために研究に没頭した彼女を称える雰囲気のあった会場は、だが博士の「私の息子は同級生達に殺された」という一言でざわついた。

次いで、「いじめに加担した元同級生たちに死の裁きを与えない限り、新たな奇病で人類は死に絶える」という宣言で凍りつく。

天才科学者による未曾有の復讐劇に人類は恐怖と混乱に陥り、元1年B組の生徒達は全世界から敵視される存在となった。

 

 

恐ろしい話です。

理性が別の次元へ行ってしまった天才科学者には誰も太刀打ちできないということでしょうか。

初めは息子に対するイジメの凄惨さと不誠実な学校の対応への怒りと悲しみと憤りから始まった物語。

それだけならほとんどの人が彼女に同調し、同情し、一緒に憤ることが出来るでしょうが、そこからベクトルが人類への切り捨てへと推移していくなんて誰も思わないでしょう。

 

イジメは簡単にはなくなりません。

どんなに悲しいことだと分かっていても、他者を傷つけても守りたいものがあると思っている人たちがいる限り、完全になくすことは出来ないでしょう。

 

博士は何が見たかったのか。

たんに人類に絶望してしまったのか。

それとも、自分に立ち向かい、たとえ自分や愛する人が死んだとしても、他者を殺さないでいることが出来る人たちを待ち望んでいたのか・・・・。

 

博士は神になりたかったのかもしれません。けれど、これは紛れもないテロだと思いました。

自分の欲求を満たすために他者を踏みつける行為。

息子をイジメていた元同級生となんら変わらない行為。

そして、この結末がテロリストだという結論に導いている気がします。

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